園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

9月主題…友だちとともに

今月の聖書の言葉

友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。
わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。
[ヨハネによる福音書15章13、14]

 今月はイエスの言葉です。イエスは、私たち人間を上下関係ではなく、並列的な関係の「友」と呼びます。ただしそれは「自分の命を捨てる」ほどの、相手のために与え尽くす“無償の愛”によってつながることによってです。それを「愛」と表現し、イエスは自ら人の罪のゆるしのために犠牲として十字架上に命を献げる行為を通して示しました。コロナ禍でも垣間見られるように、人間は極めて〈利己〉的な面を持っていますが、それをこえて〈利他〉(自分を犠牲にして他者に利益を与え、幸福を願うこと)の心を働かせることで、生物学的には最も弱い存在でありながらも、命をつなぐことができているといわれます。こうした積極的に与える「愛」によってこそ、世界の人々が「友」となり平和に安心して生きていけることを、イエスはわたしたちに語ります。園はそれを使命とし70年を歩んできました。まことの「愛」による友の輪を広げていきましょう。

 短い夏休みでしたが、子どもたちの成長が見られたことと思います。二学期も様々な制限が予想されますが、何よりもそれぞれの子どもにふさわしい育ちを見守り、遊びや活動を支えていきたいと思います。親や保育者よりも、「友だち」に育てられる面が多くあります。互いに心を通わせ、素直な気持ちで与え合うことによって喜びを共有し、親密な関係や信頼感が生まれていきます。自分に無いものを友だちが満たしてくれたり、またその逆のこともあるのです。こうした利他的な関わりが仲間意識を育んでいきます。競争よりも共走、協奏のゆたかさや楽しさを子どもたちに身につけて欲しいと願っています。生活習慣も整えて。暑さの残る日々ですが、季節が変化する様子を、園庭の片隅や登園の道すがら見つけられたら良いですね。 (園長:西嶋佳弘)