10月主題…楽しむ

　詩編は約三千年前から語り継がれた古代イスラエルの人々による祈りの言葉で、150篇からなります。この箇所は喜びで精神的に高揚した雰囲気が感じられますが、そのあとに詩人は悪や不正義がはびこる世の中で、自分が受けた悪意ある攻撃や理不尽な経験を思い返す言葉が続きます。しかし引き受け難い現実も｢あなたのまこと｣、つまり“神のなさることはいつも真実である”と理解し、自分の人生の糧としていく決意が示されています。労苦や痛みが無いことが“楽しい”人生なのではなく、それらを抱えながらも，かえってその中に生きる価値や意味、そして喜びを見い出していこうとするのです。そこにこそ真の楽しい生き方があるのではないでしょうか。すべてを主＝神が備えてくださっていると信じ、感謝できる者となるよう導かれています。

　園生活の積み重ねで仲間意識も高まり、友だちといっしょに遊ぶ機会もふえてきました。その中で自分とは異なる他者を意識したり、思い通りにいかないことや小さなトラブルに出くわしながら、それらもまた“糧”として、楽しさを共有できるようになるでしょう。戸外で活発に遊び、ルールを守りながら｢運動会ごっこ｣などをすることを通して、自分の身体をコントロールしたりバランス良く動かす力が育ちます。全力で走ったり飛んだりして，心身共に解放される感覚とその喜びを身につけて欲しいと思います。また失敗したり負ける経験をすることで、くじけないで意欲的に物事に取り組む力も備わってくるのです。秋の訪れと季節の変化を、園庭の生き物や草花を見たり、また旬の食べ物を味わったりして、感じられるような毎日を過ごしましょう。（西嶋）