園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

2月主題…つながる

今月の聖書の言葉

愛を身に着けなさい。愛は、すべてを完成させるきずなです。
また、キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。
[コロサイの信徒への手紙3章14節]

コロサイは現在のトルコ共和国の内陸部の町で、手紙は紀元50年代に書かれたようです。執筆者はここまで「憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。…責めるべきことがあっても、赦し合い」なさいと勧めています。これらは当時の哲学の影響を受けた「徳目表」として知られていました。それは人を評価する基準となり、個人の利得にもつながっていました。しかしここでの「愛」は見返り無しで相手に与える無償の行為をあらわしています。どんなに利益を上げる良い成果も、他者に喜びをもたらすものでなければ、不十分あるいは無価値だとさえ言うのです。混迷の世ですが、わたしたちのひとつひとつの判断と行動のうちに、キリストが示した痛みに共感する心や慰め、ゆるしなどの本当の「愛」が込められているかが問われます。それらで心を満たすことにより、平和が生まれるのだと思います。

月主題の「つながる」は、異なる考えの他者と、ちがいを認め合いながらつながっていくこと、あたりまえと思っている関係を見直し、さらに深めて新たにしていくことに注目しています。これまでの園生活の経験が生かされ、仲間意識も高まり、互いにアイデアを出し合って、より充実した遊びが展開されていくように願っています。それぞれの成長を見るときに、子どもができないことを不満に思うこともあるでしょうが、それよりも出来たことを一緒に喜ぶことが、心の安定につながります。そのように接されることで、子どもの内に生きていく自信と誇りが身につきます。小さな春の訪れを、園庭で、登降園の道ばたで感じ取れるようにしましょう。手をつないで歩きながら、子どもと会話をかさねる時間は、親と子それぞれの人生において貴重な宝ものとなります。丁寧に与えられた時を刻みましょう。(園長:西嶋)