園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

7月主題…心ゆくまで

今月の聖書の言葉

これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。
あなたがたには世で苦難がある。
しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている

[新約聖書:ヨハネによる福音書16章33節]

 イエスの「遺言説教」と言われる箇所の終結の言葉です。「勇気」という言葉は、心身共に元気なことや恐れず揺るぎないこと、確信を持つという意味を持っています。スポーツで頑張る選手の姿に“勇気・元気をもらう”という経験もありますが、それらとは異なります。この勇気には根拠があり、「世に勝っている」ことに由来します。「世」とは人間の自己中心や欲望、富や力が支配する状態ですが、それらをこえてはたらく「神の愛」がイエスによって示されているからです。小さい声が聞き取られ、人の痛みや悲しみが受容されること、「わたしはこのままで愛されている」と感じられる時こそ、ほんとうの勇気が与えられます。それは消えることがない“宝物”としてその人に内に生き続けます。そのような愛が私たちの間で満ちる時に、「平和」(あらゆる存在が安らかに存在する状態)が得られるとイエスは語りかけています。

 毎日のように園庭で新しい生き物とであいがあります。図鑑やネット上の知識よりも、鳥のさえずりや虫たちの鳴き声に耳をすませ、手のひらを動く小さな虫たちの感触を確かめることで、命の不思議さやはかなさ、愛(いと)おしさを、心とからだにしみこませて欲しいと思います。生きものを友だちと協力しながら世話をし育てることを通して、小さな命への責任感や感情移入もなされます。それらの経験は、他者の気持ち、喜びや痛みなどを察して行動するような、人との関わりをつくっていく力を育てます。

 暑い中で土や水とふれあいながら、心ゆくまで遊び込むことも大切にします。外でしっかり汗をかく時間も子どもには必要です。気持ちよく過ごすために、着替えなどの身の回りのことが自分で出来るように、またけじめのある生活習慣が身につくように、園と家庭で取り組みましょう。    (園長:西嶋)