園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

2月主題…わかちあって

今月の聖書の言葉

その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。

[新約聖書:マタイによる福音書10章13節]

 今月はイエスが教えを伝えるために、弟子たちを派遣した際の言葉です。その行先は「失われた羊のところ」で、それは存在が忘れられたり、誰かの助けを必要としている人々を指しています。「平和」とはヘブライ語の「シャローム」に由来し、戦争がなく穏やかなことですが、その前提として神の思いを人が誠実に受けとめ、人と人とが安心して共に生きている状態を意味しています。今日の状況は、それとは正反対の生きづらい中にあります。シャロームの挨拶は祈りでもあり、その言葉を交わすことで心を通わせ、互いを気づかい、そのための手立てを講じる気持ちがあることを確認し合おうとするものです。心から発せられた神の意にかなった言葉は、必ず成ると信じられているのです。わたしたちも「平和の挨拶」を交わし合い、いたわり、慰め、励ましを共にして、生きる勇気を持てるような世の中にしたいですね。

 何を「わかちあって」いくのでしょうか。それは嬉しいことや楽しいことだけでなく、涙も痛みも共にすることだと思います。子どもたちの中では、互いの苦手なことや出来ないことをカバーし合って、いっしょに作ったり遊んだりする姿が見えてくるようになっています。また「自己」が出来てくれば、互いの「自分」がぶつかり合う経験もするのですが、いっしょに園で過ごすことで、きっとその先に相手のことを「わかりあう」関係(社会性)ができていくでしょう。その時を穏やかなまなざしで待ちたいと思います。何ができるようになったかおもてに現れる成果を気にするだけでなく、子どもたちの目に見えない成長にも心を向けたいと思います。毎日の礼拝では、病気や困っている誰かのことを思って祈る心が育っています。春の訪れが近づいていますが、球根の芽や小さな生き物たちの姿などをしっかり見つめ、命の力を感じたいと思います。温もりのある日ざしのもとで、しっかり体を動かして遊びましょう。      (園長:西嶋)