園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

3月主題…信じる

今月の聖書の言葉

あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。…
わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。

[マタイによる福音書28章19,20節]

 今月は福音書のラストシーンで、十字架の死から復活したイエスが、神のもとに帰る前に弟子たちに告げた最後の言葉です。イエスは無償の愛を十字架の死に至るまで貫き、その生き方への祝福として神から新しい命が与えられました(“イースター”の出来事)。「世の終わり」とは、神の創造された世界は、それがいつかは知らされませんが、やがて完成の時(終末)を迎えるという、聖書の歴史理解です。そこには人の生の終わりも含まれます。弟子たちは人間的には弱さや欠けがあり、迷いや不安を抱えていますが、そんなひとりをイエスは「ずっと一緒にいて支えるから大丈夫」と約束し励ますのです。このひとことに押し出されて、キリスト教は世界に広がりました。誰の人生にも、その人を根底から支える存在(神、人)が必要です。そこから無条件の愛が注がれていると信じるなら、安心して歩んでいけるでしょう。

「信じる」ということは、神から人間だけに与えられた特性です。泣きながら(?)始まった園生活も、離れていても自分を思っていてくれる存在(親や家族)があることを信じられるようになると、安心して遊べるようになりました。また心を通わせていっしょに遊んでくれる仲間を信頼できるからこそ、遊びやクラスの活動が充実したものになっているのです。子どもたちが互いに支えあい、育ちあってきたことを「共に喜んで」卒園、進級を迎えたいと思います。何かが出来るようになったという見てわかる成長だけでなく、うまくいかないときも信頼して待つことや、悲しみや困っている気持ちをわかりあうことなど、心の育ちも認めていきましょう。感染症の影響で制限の多い1年でしたが、マスクを外したときには、自分の気持ちを豊かな表情であらわせるように、感受性を養えるような保育を、残された時間の中でしていきたいと思います。春の兆しを園庭や登園の道で見つけ、命の息吹を感じられたら良いですね。  (園長:西嶋)