園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

5月主題…心地よく

今月の聖書の言葉

イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。
「子供たちをわたしのところに来させなさい。
妨げてはならない。
神の国はこのような者たちのものである。」

[新約聖書:マルコによる福音書10章14節]

月聖句は11月の幼児祝福式にも読まれる言葉です。弟子たち(=大人)にとって子どもは未熟で厄介な者であり、集まりからさえぎろうとしたのでした。二千年前の子どもは約半数しか成人になれず、「弱さ」の代表的存在でした。しかしイエスは、そのような“いと小さきもの”にこそ価値があり、彼らが安心して平和に生きることができる「神の国」(神がそうあって欲しいと望まれる世界)の住人であることを示します。効率よく利益を生み出し成果を上げることばかりに関心を向けるわたしたちですが、子どもと共に生きるには、小ささや弱さも恵みとして受け容れる感性が必要です。子どもたちが厳しい状況におかれている世界の現実を目の当たりにする日々ですが、子どもを真ん中において、物事のありようを見直していくことが大切ではないでしょうか。弱さの中にこそ真実があることを心にとめたいと思います。

期待や不安もあるなかで始まった新年度だったでしょう。毎朝共通の経験(シールを貼ってから遊び、さんびかを歌い、お祈りをして、お話しを聞く…)を重ねることで、しだいにここ(保育者や遊具、仲間などの環境全体)が、自分の居場所であると感じられるようになってきました。目新しさを求めるより、同じ事を繰り返すことの中で、子どもそれぞれの成長を知ることができます。新しい仲間と言葉を交わしながら、(まだ涙が流れることもありますが)毎日を楽しんでいるようです。子どもから「あのね、わたしね…、ぼくね…」と出てくる言葉をていねいに聞き取り、園が子どもそれぞれの思いを発揮できる場所となるよう願いながらすごしています。庭の草花、やって来る生き物たちとも仲良くなり、育てたりもしながら、いろんな命と一緒に生きていることを感じたいと思います。よごれても平気な服でどうぞ。   (園長:西嶋)