園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

9月主題…のびやかに

今月の聖書の言葉

種は茨の中に落ちた。
すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。
…ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、…あるものは百倍にもなった。
…聞く耳のある者は聞きなさい

[新約聖書:マルコによる福音書 4章1−9節]

 良く知られたイエスのたとえ話です。当時のパレスチナでは、ある程度整地した地面にまず麦の種を蒔き、その後に耕して種を土に混ぜ込む方法をとっていました。その際に、道ばたに落ちた種が鳥に食べられたり、石地だとすぐ枯れたり、成長してもイバラなどで日がさえぎられ、実らないこともあります。それでも農夫はたゆまず種を蒔き続けるのです。農夫は神さま、種は神の言葉を表します。人が生きていく上で大切な言葉が蒔かれても、受け取った心がやわらかで、それを生かす感性と謙虚さがなければ、実りは期待できません。しかし良い地となってはぐくめば、予想外の収穫がもたらされるのです。人を生かし育てる聖書の言葉に耳を傾け、心のうちで育てて欲しいと願っています。また人を傷つける言葉や乱暴な物言いがあふれる世界ですが、良い言葉を聞きとめている人は、良い言葉を語る人にもなります。

 制約もある夏休みだったでしょうが、子どもたちは日常とは異なる経験で、十分に育ちの“養分”を蓄えていることでしょう。二学期は保護者の方も含めて皆で取り組む計画が多くありますが、子どもたちが個性をのびやかに発揮して、楽しめるよう準備していきたいと思います。心を合わせていっしょにやりとげることの喜びや、そのむつかしさも体験できると良いでしょう。“成功した、失敗した、思うようにいかなかった”などの目先の結果よりも、肯定的なまなざしでもって接し、ありのままを子どもといっしょに受けとめることが大切だと思います。その経験はきっと後で豊かな実りにつながるはずです。まだ暑い日があるでしょうが、園庭に来る虫たちが、秋の訪れを知らせてくれます。旬の食材を使った食事やおやつにも気を使いながら、季節の変化を感じたいと思います。できる限りの感染症対策も継続しつつ…。

(西嶋)