12月主題…喜びあふれて

　羊飼いたちは厳しい自然の中で羊の群れを養い育て、時には徹夜で羊を見守っていたのです。それは重労働であるだけでなく、町の住民のように規定の礼拝にも参加できないことで宗教的にも低く見られていました。そんなかれらにこそ真っ先に、世界全体に向けられた大きな喜び、「救い主(ぬし)」の誕生が天使から知らされたのです。それはどんなに小さな世界の片隅にいる一人も、神の前にはかけがえのない存在であることを伝えています。たとえ世の人々の間ではそうでなくても、自分たちは神から認められ大切にされているという喜びが、羊飼いたちを満たしたのです。受け容れられている経験をし、そこでかけられた言葉に信頼することが出来た時、希望が生まれ、新しい行動への力となっていきます。クリスマスを、“あなたも愛されているひとり”という、人を生かすメッセージとともに迎えたいと思います。

　クリスマスが喧騒の中で押し寄せるようにやって来る昨今ですが、“アドベント”の、その日を心を込めて待つ期間を大切にしたいと思います。聖書のイエスさま誕生のいろんな場面の話しや、クリスマスにまつわる物語を絵本などで繰り返し子どもたちに伝えます。天使が羊飼いを喜ばせたように、誰かを喜ばせるために、皆が嬉しい気持ちになるために、飾りを作ったり、歌を歌ったり、ページェントの準備をしながら、お互いがやさしい言葉をかけ合いながら過ごしたいです。そうした中で、見えないもの、手でふれることができないものを大切にし、信頼する心が育つことを願っています。感染症の不安が続き、寒さも増す日々ですが、厚着になりすぎず、しっかりと体を動かし、バランスのよい食事と睡眠をとって、身体をすこやかに保ちましょう。２学期のさまざまな経験を通しての成長を、親子で喜び合いたいですね。

（西嶋佳弘）