園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

1月主題…つたえあう

今月の聖書の言葉

あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。 

[新約聖書:ルカによる福音書 15章1~7節]

 聖書の話に度々登場する羊は、背景である西アジアで約1万年前から家畜として飼われています。羊は人間に養われ、自身では身を守ることができませんから、もしその群れから迷い出てしまったなら、穴に落ちたり猛獣に食われるなどの命の危険にさらされます。羊飼いは百匹程度を数人で連れ歩き、顔も覚えて世話をしますから、その内の1匹がいないことに気づけば、99匹を他の羊飼いにゆだねて必死に探し回るでしょう。その1匹は100分の1の価値ではなく、失われてはならないかけがえのない1匹なのです。「見つけた」とは、その存在を確かめ無条件に認めることです。イエスさまは一人ひとりをいつもそのように見つけようとしておられるのです。その一人が仲間のもとに帰り、受け容れられたなら、互いがどれほど大きな喜びに包まれるでしょうか。わたしたちはそのような「群れ」となっていきたいと思います。

 新しい年を世界中の人たちが安心して暮らせるよう祈り願いつつ迎えています。三学期も園につどうものみんなが、おだやかな気持ちや喜びをつたえあう仲間として、成長していきたいと思います。毎年この時期は、こま回しをはじめとして手先を細かく使う制作などに熱心に取り組みます。競争や対抗心もありますが、子ども同士が教え合ったり手伝ったり、そして仲間に励まされて、やり遂げることができるようになります。得手不得手はあっても、ゆっくり時間をかけて、想い描くことと体の動きとが調和していくようにしたいですね。思うようにならないことはあっても、うまくいっていっしょに喜ぶ経験をすることは、平和な心を育てることにもつながることでしょう。園には春を待ちながらひっそりサナギで冬を越すアゲハや、土の中で太くなりつつあるカブトムシの幼虫がいますが、冬の自然や植物、生き物もじっくり観察すれば、いろんなことに気づくはずです。引き続き感染症への対策を確実に行いながら、生活習慣を整え、外を元気に走り回り、バランスのよい食事を心がけて、今を乗り切っていきましょう。

 (西嶋佳弘)