園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

3月主題…信じて進む

今月の聖書の言葉

わたしはモーセと共にいたように、あなたと共にいる。
あなたを見放すことも、見捨てることもない。
強く、雄々しくあれ。

[旧約聖書:ヨシュア記 1章5~6節]

 紀元前13世紀頃、古代イスラエルの民はエジプトの奴隷生活を送っていましたが、神はモーセという指導者を用いて解放し、40年間の荒れ野の旅の後に、約束の地(現在のパレスチナ)に導きます。しかしその帰還直前にモーセは死に、後継者として神はヨシュアを指名します。彼はまだ若く経験も浅いために、不安におののきますが、神はその素直さに目をとめたのでしょう。そしてこの聖句の励ましの言葉をかけたのでした。「見放さない、見捨てない」と神は約束し、生涯にわたり彼を励まし続けます。この一言にどれほど人は勇気づけられ、安心を得ることでしょうか。SDGsにおいては、目標達成のために「だれひとり取り残さない」と誓約されています。わたしたちの世界の現実は厳しさを増し、ウクライナやトルコ・シリアの状況を思うと心が痛みます。しかし、いつも神の愛による励ましがあるという約束を信じ、誰もがかけがえのない一人として生きることができるよう、心と手をかけて、今なすべき事をなしていきましょう。

 みどり組の子どもたちは、2020年4月からの入園早々の感染症対応の休園期間や、様々な制約の下でこの3年間を過ごしてきました。どんな状況にあっても、子どもたちに備えられた育つ力に押されるようにして、その成長を支えようとしてきた日々でした。園として振り返れば、不十分なことも多々あったと思いますが、子どもたちのたくましさには、皆が深い感動を覚えています。結果として表れる見える成果ではなく、「見えないものに目を注ぐ」というキリスト教保育の大切な指針を、再確認させられました。

 小さい園ならではの、クラスを超えた子どもたちのつながりが感じられます。互いが励まし合って制作やこま回しをしたり、もも組の子どもに優しく接する姿が見られ、しっとりとした情感が通っているようです。園庭に注ぐ日ざしや植物の芽吹きに、春の訪れを見つけていきたいと思います。戦争や災害の画像が押し寄せる毎日ですが、本来神さまがわたしたちに与えられた世界は、良いものや美しさで満ちていることをしっかりと伝えたいと思います。子どもたちがこれから歩んで行く世界を、真に平和なものにしていくことは、わたしたちおとなの大切な責務です。卒園、進級の時節を、感謝と喜びの中で送りましょう。

(園長:西嶋佳弘)