5月主題…うごきだす
イエスは…「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。
シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。
しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えた。
[ルカによる福音書5章4節]
イエスには12人の弟子がいたとされます(他にも、女性の弟子も)。最初の弟子たち数名はガリラヤ湖(別名ゲネサレト)の漁師で、その一人シモン(通称ペトロ)は後にリーダー的役割を担います。聖書はイエスとかれらが最初に出会った場面です。シモンたちは不漁で疲れ果てていたことでしょう。そこへイエスはやって来て、シモンの船に乗り込み、教えを聞こうと岸辺に集まった群衆に向けて話し始めたのでした。その後にかけた言葉「沖にこぎ出し…」は予想外で、不見識なものに思えます。しかし漁師たちはイエスの振る舞いに接し、何か心がうごかされるものを感じたのでしょう。言われた通り網を降ろしてみると、果たして網が破れるほどの大漁となりました。現象としては奇跡的な話ですが、ここには「人の思い」と「神の思い」の違いが示されます。人の目には成果が上がらず希望が無いように思われても、それをこえてイエスの言葉は励ましと将来の展望を抱く力となり、生きてはたらきます。「失敗?もう一回やってみようよ!」イエスの言葉に背中を押されて、子どもたちと共に漕ぎだしてみましょう。
クラスの仲間、新しい子どもとの関わりも定着しつつあり、園内の心地よい居場所も見つけて、落ち着いて過ごす姿が見られます。そんな安心感を基盤として、心と体を動かして新しいことにも積極的に取り組めるように、それぞれの気持を受けとめながらそっと背中を押していきたいと思います。活動的になれるこの季節は、土や水、虫や花などの命に対して、五感をはたらかせながらふれ合い、不思議さや面白さ、楽しさや美しさを感じる経験を重ねていきたいと思います。親子とも新生活の疲れが出ることもあるかも知れませんが、日々の生活習慣を整え、特に早寝早起きと、朝食をしっかりとるように心がけましょう。
(園長:西嶋佳弘)