園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

7月主題…ここちよく

今月の聖書の言葉

「隣人を自分のように愛しなさい。」

[マルコによる福音書12章31節]

 聖句は聖書の中心ともいえるイエスの一言です。1549年のキリスト教伝来後、聖書の日本語翻訳の際に、ギリシャ語で「神の無償の愛」をあらわす「アガペー」を、どう言い表すか苦心したようです。初めは「ご大切」と訳され、相手を大切な存在として扱うことと理解されました。その後「愛」が充てられましたが、それはもとの日本語では愛欲や愛着など自己中心的な意味を持つ語でした。しかし聖書が「神の愛」という新たな意味づけをしたことで、その内容が変えられていったのです。「隣人」は、旧約聖書においてはまず古代イスラエル民族同胞を表しますが、他民族の寄留者や戦争の捕虜なども含みます。今で言えば他国の「難民」や外国人労働者も含まれます。そのような社会的に弱い立場にある人たちを、自分や家族と同じように大切にすることによって、神の与えた地上で平和のうちに安心して暮らせることができるのだと考えたのでした。さらにイエスは、自分の命までもささげ、他者を尊ぶ愛で、人を生かそうとされています。全ての命が「大切に」され「愛」される世界となるよう強く望みます。

 季節は“ここちよい”とは言いづらい時期であり、気候の激変や猛暑も予想されています。しかし文明の利器に頼らず、風を通したり、木陰を利用したり、衣服で調節したりと、この時期を少しでも気持良く過ごす工夫や文化を培ってきたはずです。無理はいけませんが、しっかり汗をかき、体温調整が出来るようにしておくことも大切でしょう。そのためには早寝早起きし、朝食をしっかりとって、朝の光を浴びることが基本だと言われています。子ども同士の関わりも深まり、友だちを大切にする思いが育っているように思います。異なる考えや意見を聞き合い、受け入れ合いながら、“心地よく”つながっていけるような仲間でありたいと思います。トラブルが起きても「お友だちはどんな気持ちだったかな?」、と声をかけ、気持をほぐしていけたらと思います。畑で育て、収穫した野菜などを用いて、命を分かち合う喜びを体験したいと思います。 

(園長:西嶋佳弘)