9月主題…深める
主(イエス・キリスト)において常に喜びなさい。
[フィリピの信徒への手紙4章4節]
一世紀半ばに宣教活動をしたパウロが、ギリシャの町の教会に宛てて書いた手紙の言葉で、7頁ほどの文章に[喜ぶ]という言葉が16回も使われています。しかしパウロは、キリスト教を伝えたことがローマ帝国の社会秩序を乱したとして逮捕され、投獄された逆境の中から、信仰を同じくする仲間に書いているのです。世の人々が自分を理解してくれず、攻撃や排除(=いじめ)を受け、時には命の危機に直面しながらも、心を通わす仲間は痛みに共感し、祈り支えてくれているという確信を持ち続けています。だからたとえ悲しみや苦しみの境遇にあっても、なお自分の命を“喜んで”生きることができるのです。その背後には、十字架の出来事を通してあらゆる苦難を苦しみ抜いたキリストが、わたしと共におられ、痛みを思いやってくださるという、深い信頼的関係があるのです。わたしたちは人生で様々な苦難を経験しますが、そこで何に“信”をおくかが問われます。子どもを含めて、誰もが自分を理解し根底から支えてくれる存在を必要としています。信実に裏打ちされた喜びが、人を勇気づけ生きる意欲を与えます。
記録的猛暑の夏でしたが、夏休みの体験はきっと成長の糧となっていることでしょう。それが自信となり、二学期の新しいことに意欲的に取り組む力となれば嬉しいと思います。それぞれが夏休み中に体験したことを、自分の言葉で伝え合う時も持ちたいと思います。満三歳の方の入園を受けて、家族的な関わりの中で新しい仲間づくりをしたり、小さい子への思いやりも育って欲しいと思います。行事もいろいろ計画されている二学期ですが、その中でそれぞれの“賜物”を生かし合い、良いところも違いも認め合いながら、共に成し遂げる経験もできると期待しています。小さな喜びを重ねることが、心の安定にもつながります。友達関係も遊びも深まってくることでしょう。友だちと思いを通わせながら、じっくりと遊び込めるような時間を工夫してつくっていきたいと思います。まだまだ暑い日が続きそうですが、もう一度生活リズムを整えて、体もしっかり動かして、健康に園生活をしていきましょう。
(園長:西嶋佳弘)