11月主題…感謝しつつ
わたしは植え、アポロは水を注いだ。
しかし、成長させてくださったのは神です。
ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。
[コリントの信徒への手紙Ⅰ 3章6,7節]
聖句の「わたし」は1世紀中頃に地中海沿岸の街々(コリントもその一つ)に教会を設立した宣教者パウロです。しかし(人の集団の常ですが)教会の内部では、誰のグループにつくかと派閥争いが起こり、不和が生じたのでした。アポロもリーダーの一人ですが、パウロも含めて自ら権威を主張しはしませんでした。ここでパウロは本質的なことに立ち帰るよう諭すのです。ある集団や個人の実績は、人間的な努力やその素質が影響しますが、その根っこを支え、交わりを成長へと導くのは神のはたらきだというのです。人の育ちについても、表に現れた結果だけに目が行きがちですが、神はその人固有の力(賜物)を与え、それによって生きていくことができるよう導いてくださるのです。たとえ親であっても、子のすべてを知ることはできません。命を与えた神に信頼し、“ゆだねる”ことも大切なのです。そのうえで成長を喜び感謝したいと思います。
運動会をはじめとしてクラスやみんなで一緒に取り組む活動が、子どもたちの楽しみとなり、達成感も得られているようで、一段と成長を感じています。関わりが深まれば、またお互いの共通点や違いもはっきりとしてきますが、それを受け入れ合うことで包容力も培われているようです。子ども同士で育ちあう姿があります。秋の季節は自然のもたらす食べ物や、木の実や色づく葉など、様々な“恵み”に満たされています。それらに触れながら、見つめ、嗅ぎ、作り、食べたりして豊かな季節を経験したいと思います。収穫感謝祭で「あやめ汁」を食べますが、家庭でも様々な食材を用いて、子どもたちがいろいろな味や食感に接することができるよう工夫されると良いでしょう。気温の変化が大きい時期ですが、着脱しやすい服装で過ごし、早くから厚着をさせ過ぎないようにしましょう。登園、降園の時間がルーズになりがちですが、日々の生活リズムを整えて、けじめある充実した園生活をしていけるよう心がけてください。
(園長:西嶋佳弘)