園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

1月主題…かさねる

今月の聖書の言葉

あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、
また、主イエスご自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と
言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。

[使徒言行録 20章35節]

 聖句は、初期教会で福音を地中海沿岸の街々に伝えた宣教者パウロの言葉です。「弱い者」とは経済的に厳しい状況にある人、まだ信仰の十分な知識がなく物事を正しく判断出来ないでいる人など、配慮して支援しなければならない仲間を指しているのでしょう。わたしたちはいつも“受ける”事で利得を手にすることに関心が向き、“与える”ことは損であるかのように思うのではないでしょうか。しかしイエスは“与える”ことの中にこそ喜びと豊かさがあることを伝え、自らが無償の愛をわたしたちに注ぐことで、慰め、心を満たし、生かそうとされます。自己利益が優先される世にあって、愛をもって与え合い、分けあうことの中にこそ、人にとっての“幸い”や“喜び”があるのではないでしょうか。破滅に向かっているかのような世界のありさまですが、新しい年を歩み出すにあたって、そのような方向転換をしていくことが、希望への道につながることを信じます。

 クリスマスからお正月にかけて、いつもと違った経験を家族でされたことが、子どもたちにとっては良い糧となったことでしょう。2学期の共に何かをつくりあげていく経験は、子どもの自信や誇りとなっていることと思います。それらを基に、さらに新たな工夫や発想を重ねることで、遊びが広がり、深まっていくように、活動していきたいと思います。こま遊びは失敗しても根気よく取り組むことが必要ですが、子ども同士が教え合いながら、うまくいった時の喜びを共有できたら良いですね。冬の寒さの中で、身の回りの自然がどのように変化していくのか、子どもたちと観察しながら、「不思議」を見つけたり、五感で感じたり、調べたりしていきます。年度末の3学期ですが、大人の思いから子どもに何かの成果を期待するよりも、今そこにある育ちの姿を、子どもといっしょに喜ぶことを大切にしたいと思います。

 

(園長:西嶋佳弘)