12月号
10月中旬2歳半の孫(女児)を連れて次女がアメリカから帰省。1年ぶりの孫は、じいじ、ばあば、大ばあば3人の静かな生活に非日常的な祝祭をもたらしてくれた。あっという間に3週間が経ち、日本語がどんどん口から出るようになった頃、楽しい思い出を残して帰っていった。そんな中でどうしても気になって仕方がないことがあった。それはママがゲーム中毒であることと、彼女がリモートワークや仲間とのオンライン・ゲームに集中しなければならない時は、孫がiPadをあてがわれて、自分の好きなアニメを1時間以上おとなしく観ていたことだ。また東京在住の孫3人が帰省する新幹線の中での4時間は、タブレットは欠かすことのできない時限付きのアイテムだ。子どもの取り巻く遊びの環境は劇的に変化している。その変化が果たして幼児の脳=心にとっていいことなのかどうなのか。すでに多くの心理学者や脳科学者が強い懸念を表している。
ある本では、赤ちゃんはお母さんと目と目を合わせることで安心し、親子の愛着関係が生まれるのに、わが子の心を育てる大事な時期に親がスマホに気を取られていると、愛着形成がされず、「外の世界で何があってもここに戻ってくれば大丈夫という心の安全基地を持つことができない」と指摘している。(川島隆太『スマホ依存が脳を傷つける』など)
人としての脳が発達する時期は主に20代前半まで。0歳から2、3歳頃は 神経細胞の成熟が急ピッチに進む時期で、脳全体の約80%がこの時期までに形成される。コト・モノ・キモチに名前がついていることを知り、脳内の配線でそれらを結びつけて言葉を増やし、使うことで習得する時期だ。6歳頃脳のサイズは成人の約90〜95%に達するという。
あやめ幼稚園で、思い切り遊び、駆け回り、時にはケンカし、好奇心を全開にして新しい発見をする「時と場所」を大切にしてほしい。子どもの成長はまちまちだ。遅いからといって嘆くことはないが、地球環境が悪化しているこの時代に、さらにスマホ依存で脳=心が傷つくことになれば、人類にとって二重の危機であることには違いないだろう。すでにいくつかの国が16歳以下のスマホ使用制限に取り組んでいるのも分かる。この子どもたちの10年、20年先にどんな時代と社会が来ようとも、生きのびてほしいと心から祈る。
(園長:今石正人)
