園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

11月主題…感じる

今月の聖書の言葉

わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。
これがわたしの掟(おきて)である。
友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。

[新約聖書・ヨハネによる福音書15章12,13節]

 「わたし」=イエスの最もよく知られた言葉のひとつです。人はかき集めて蓄えることで安心を得、他者との競争に勝つことで利益を手にすることが出来ると考えます。こうした「自己中心の掟」に生きる時、欲望や憎しみに支配され、人の評価をおそれ、やがては生きる喜びを失ってしまいます。イエスはそれらとは真逆の「愛の掟」を提案します。イエスは十字架の死によって、最も大切な命をも与え尽くし、他者を愛する生き方を自ら示します。コロナ禍で、利己的な選択がなされたり、格差が広がる世界にあって、隣人とどのような関わり方をすれば本当に安心が得られるのか、問いかけられています。まず神に無条件に愛されていることを感じ、友が何を必要としているのかに気づき、互いが友愛を感じられるような信頼関係をつくっていきたいと思います。

 わたしたちはどれだけ多くの「恵み」を受けて今日を生かされているか、それに気づくような毎日を送りたいと思います。秋の食べ物、木の実や落葉、澄んだ空気や雲、それら一つ一つを手に取ったり、眺めたり、食べたり、戯れたりすることを通して、命を感じることが大切だと思います。子どもたちがバーチャルリアリティーの画面に支配されてばかりいると、神からの賜物である想像力や感性、与える喜び、そして愛する心が十分に育たないのではないかと危惧します。遊びの内容も友だちとの関係も継続するようになり、イメージを共有しながら期待や意欲を持ってものごとに取り組む力が育っています。表に現れる成果ばかりで子どもを評価せず、目に見えない成長をしっかり認めていきましょう。その安心感が子どもの根底を支えるものとなります。

(園長:西嶋)