園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

2月主題…わかちあう

今月の聖書の言葉

喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。
…悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい。

ローマの信徒への手紙12章15、21節

 ローマの信徒への手紙は紀元55年頃(イエスの十字架刑から20年余り後)、ローマ帝国の中心地で生まれたキリスト教会の小さな集まりに向けて、宣教者パウロによって書かれました。当時は迫害や世間との確執が起こり、信仰を守るには困難がありました。パウロも度々理不尽な攻撃を受けました。しかしどれほど悪意を向けられても、イエスの教えに基づいて、隣人愛と奉仕の生活を貫くようにと諭しています。この聖句には、他者の痛みに心をから共感し、できる限りの手立てをすること、その人の喜びを敬意を持って受けとめることなどが示されています。一般的にも人として大切なことですが、その行動の根拠として、神がまずわたしを重んじ悲しみを理解してくださる方であるとの確信があります。人は悪意ある行為が向けられた時、復讐心をつのらせるのが常です。しかし神に根底から支えてられているという安心があるならば、“善”という優しさとゆるしを持って、積極的に“愛”をはたらかせることで敵意を包み込み、相手を変えていくことができるというのです。それはたやすいことではありませんが、その心がなければ、わたしたちが直面する様々な困難をのりこえていくことはできないのではないでしょうか。

 気候の温暖化の中にあっても冷たい日もあり、子どもたちは少しの雪でもかき集めて小さい雪だるまを作って楽しむ姿があります。季節なりの遊びをきちんと経験したいと思います。す話や礼拝のお話しを集中して聞けるようになっています。卒園生の年賀状に、「ぼくは幼稚園でお話しや紙芝居をたくさんしてくれたので、長い文を書けるようになりました」(主旨をまとめています)とありました。園での日々をそのように受けとめてくれていることに励まされ、目先の結果に動じず根っこを育てることの大切さを教えられます。ルールを守りながらゲームを楽しんだり、互いの得手不得手を受けとめながら一緒に遊ぶ姿が、それぞれの年齢で見られます。“密”な関係の中で、他者と関わるときの“間合い”を養えるようにしていきたいと思います。園庭の木々の芽吹きや、畑の玉葱の苗の成長、地中で太っているカブトムシの幼虫などにも関心を向けながら過ごします。

(園長:西嶋佳弘)