園長メッセージ

園長メッセージ
Message from the director

11月主題…深まる

今月の聖書の言葉

主よ、御業(みわざ)はいかにおびただしいことか。
あなたはすべてを知恵によって成し遂げられた。
地はお造りになったものに満ちている。

[旧約聖書:詩編104:24節]

 旧約聖書の冒頭「創世記」には、神が「光あれ!」との言葉から始めて天地を想像された物語が記されています。世界はすべてが神の被造物でした。人類が経済活動や核開発によって環境を大きく変化させ、自然の調和を乱した時代は「人新世」(じんしんせい)と呼ばれています。科学誌では、2020年にコンクリートやプラスチック、金属などの人工物の総重量が、生物の総重量を上回ったという報告がされています。そのことの意味を考え、特にいわゆる先進諸国の生活のあり方を変えていく必要に迫られています。SDGsに関する取り組みは喫緊の課題ですが、問われるのは人間の自然(=被造物)に対する謙虚さと、神という人の知が及ばない存在への誠実さだと思います。人の知恵は、用い方によっては破壊へと向かうし、命を守る方向へも進んでいくのですから。大地のあらゆる命が調和し、喜び合う世界を、次世代へ渡したいですね。

 気候変動で季節の巡りにも影響があるようですが、それでも秋の深まりを体全体で感じることは嬉しい恵み、神さまの贈り物でしょう。青く澄んだ空を眺めたり雲の形に想像力をはたらかせたり、色づいた葉を集めてデザインや工作をしたり、カサカサ落ちる木の葉の音に耳を澄ませたりすることも大切にして、感性を育んでいきたいと思います。運動会などの行事を通して、みんなでやり遂げることの充実感を覚えた子どもたちは、自信を持ってさらにいろいろなことにチャレンジするようになっています。異年齢の関わりも深まり、大きい子への憧れや小さい子へのいたわりが感じられます。大人が関わりすぎないようにして、うまくいかなくても手を出さず、子どもなりのアイデアが生まれてくるまで待つことを大切にしたいと思います。  気温の変化も大きく体調も崩しやすい時期ですが、バランスの取れた食事と十分な睡眠を取るよう心がけ、厚着をし過ぎないよう気をつけましょう。また、目や呼吸器系の感染症も流行の兆しがあるようですので、健康観察を十分して早めの対応をしましょう。

(園長:西嶋佳弘)